スペイン代表がワールドカップ前のスケジュールを発表
2016/08/27
ワールドカップが9月10日にコロンビアで開幕する。ワールドカップに向けて、スペイン代表は7月25日から徐々に準備を始めていく。
7月25日から30日に年齢が若い選手を中心にメンバーを集め、28、29日にエジプト代表と親善試合を行う。ファンフォ、オルティス、ミゲリンらは招集されていない。
そして8月11日から27日までマドリードにあるスペインサッカー協会のトレーニング施設で、本大会に挑むメンバーを集め、合宿を行い、8月19日にベトナム代表、そして26日にポルトガル代表と親善試合を行う。
その後、8月29日にポルトガルに飛び、ウズベキスタン、ポルトガルと3ヵ国で行われる大会に出場。9月4日にスペインに戻り、9月7日にワールドカップ開催地コロンビアに移動する。
スペイン代表のワールドカップ前の親善試合の予定は以下のとおり。
- 7月28日スペイン対エジプト(スペイン・オレンセ)
- 7月29日スペイン対エジプト(スペイン・オレンセ)
- 8月19日スペイン対ベトナム(スペイン・タラベラ)
- 8月26日スペイン対ポルトガル(スペイン・グアダラハラ)
- 9月2日スペイン対ウズベキスタン(ポルトガル・ゴンドマール)
- 9月3日ポルトガル対スペイン(ポルトガル・ゴンドマール)
開催時期が異例のワールドカップ
今回のワールドカップでは特に欧州のチームは、グループリーグで試合勘を取り戻すのに苦労するのではないか。
2012年ワールドカップ・タイの開催期間は11月1日から11月18日だった。2008年ワールドカップ・ブラジルは9月30日から10月19日、2004年ワールドカップ・台湾は11月21日から12月5日、2000年ワールドカップ・グアテマラは11月18日から12月3日だった。
欧州各国のリーグ戦は例年ならば6月で閉幕し、新シーズンが始まるのは、大抵9月だ。選手たちは7月下旬、もしくは8月上旬からプレシーズンに入る。
しかし、今年はワールドカップが9月10日に開幕するため、スペインでのリーグ開幕は10月12日となった。コロンビアでワールドカップ決勝が行われる1週間後だ。
つまり欧州ではリーグ戦期間を中断して、ワールドカップが行われるのではなく、新シーズンが始まる前に開催される。スペイン、ポルトガル、イタリアといった各国の代表チームは選出したバカンス明けの選手たちと身体をつくるところから始めなければならない(当然ながら、各国代表候補の選手には代表のフィジカルコーチから休暇中でも、最低限フィジカルコンディションを保つための"宿題"は与えられているはずだ)。
2008年ワールドカップは9月30日に開幕したが、この時はスペイン代表監督ベナンシオの要望もあり、例年よりも早くリーグ戦は8月下旬にスタートし、5節終了後にワールドカップのため中断となった。
しかし、今回は9月10日開幕だ。スタートしてすぐにワールドカップで中断するのは、クラブにとって何のメリットもない2度のプレシーズンを行うことになるので、リーグ開幕の前倒しというのはそもそも難しかったのだろう。
欧州に多くの選手を抱えるブラジル、アルゼンチンも海外組は試合に向けたコンディションづくりから始めなければならない。
とはいえ、フィジカルコンディションはトレーナーの指導で間違いなく整うだろう。問題は試合勘ではないか。リーグが閉幕してから2ヵ月が空く。ワールドカップ前は親善試合だけで、公式戦ではない。プレーの強度、リズムも違ってくるだろう。リーグ戦がないので、約1ヵ月まるでクラブチームのように合宿でき、戦術、戦略的にチームのクオリティを高められるが、試合勘の欠如によりなかなかエンジンがかからず欧州各国がグループリーグで苦戦するのではないか。
日程によって奪われる楽しみもある。
今回のワールドカップでは、サプライズ選出は起こらない。「この選手は5試合連続で2得点ずつ決めているから、代表経験が浅くても、この勢いを買って、招集しよう」ということはリーグ戦が行われていないのだから、欧州各国の代表チームでは起こりようがない。
ワールドカップの日程は代表選手が多く所属する強豪クラブにとっても痛手となる。プレシーズンでは全くいっしょにトレーニングを行わず、ワールドカップ閉幕した後に選手たちが合流し、数日後には開幕節をプレーする。新加入選手が多いチームは、コンビネーションはもちろん、チームの戦術、戦略の浸透もままならないだろう。強豪クラブはちぐはぐしたプレーを開幕節でするのではないか。
欧州のリーグ戦が開幕する前に行われるワールドカップ。欧州各国の代表チームはクラブチームのような連携の良さを示すのか。もしくは、試合勘の欠如が問題となるのか。