[ザグレブの街角で vol.1]大きいアリーナ
2016/08/28
今やUEFA主催の大会ではお馴染みとなった地元のチアリーダー。試合前、ハーフタイム、そしてタイムアウトで彼女たちは踊る。
2012年のUEFA欧州選手権はクロアチアで開催されている。
会場は２か所。首都ザグレブとスピリト。２つの街は400キロ離れているという。決勝はザグレブで行われる。
人口130万人のザグレブ。クロアチアの首都の新開発地域に今大会の会場、ザグレブ・アリーナがある。外観はまるでサッカースタジアムのようだ。駒沢公園の陸上競技場みたいな外観をしていて、とにかく大きい。横にはショッピングセンターがあり、とても近代的だ。体育館の周りは地面が剥き出しの空き地が多く、寂しいがこれからどんどん住居や建物ができてくるのだろう。
今大会もピッチの色は黒（たぶん、大会スポンサーの関係で広告がもっと映えるように黒にしたのだろう）。ボールは白い。黒いピッチはかっこいいので僕は好きだ。
会場は空調が効いており、ちょうどいい気温で過ごし易い。
問題は外だ。
僕は完全にザグレブを舐めていた。クロアチアにも地中海はあるし、暖かいと思っていたけどとんでもなかった。大地は凍てつき、風は僕の毛穴のひとつひとつに矢を突き刺してくる。上着だけで大丈夫だと思っていたけど、とてもじゃないが耐えられない。早速、マフラーと手袋を購入した。
週末の予報では気温はマイナス10度になるという。
たばこを吸いに毎回プレスルームから外に出る友人は言う。
銅像になっているかもしれないから、戻って来なかったら溶かしに来てくれ
開幕戦となったスペイン対スロベニア戦には多くのスロベニアを応援する人たちの姿があった。国旗を掲げ、顔をペイントし、とにかく叫ぶ。なんでこんなにスロベニア人が多いんだろうと不思議に思ったが、それは地図で確認すればすぐに分かることだった。クロアチアとスロベニアは隣国で、ザグレブはスロベニアに近い位置にある。
どうりで会場がスロベニアのホームのようになるわけだ。
今夜はリカルジーニョを擁するポルトガルがアゼルバイジャンと対戦する。両国は前大会は準決勝で顔を合わせ、PK戦の末、ポルトガルが勝利している。リカルジーニョは負傷のためメンバーから外れており、大会には参加していなかった。さて４年ぶりの欧州選手権でリカルジーニョはどんなプレーを見せるのか？