ロシアを圧倒したスペインが7度目の欧州制覇(ロシア対スペイン・欧州選手権2016マッチレポート)
2016/08/27

決勝で2得点を決めたスペイン代表ポラ。ベナンシオ監督が標榜するフットサルを体現する申し子だ。

スペイン代表ポラが、ロシア代表ロビーニョにプレス。ドリブルの素早いロビーニョに対して、スペインはポラ、ミゲリンをマッチアップさせた。
スペインは決勝戦でロシアを圧倒した。特に前半はベナンシオ監督が標榜するハイプレス、強度の高いプレーをまるで見本のような形で示した。
スペインはキックインからアレックスがダイレクトボレーで均衡を破ると、怒涛のようにプレスを仕掛け、得点を積み重ねていく。2点目はハイプレスから生まれた。前線でポラが奪ったボールをリビィーリョが拾い、ポラに返す。ポラは足裏でボールを転がし、ロシアのゴレイロ、グスタボの股の間にボールを通した。3点目はまたもキックインからだ。ファーサイドに走りこんだリビィーリョがダイレクトボレーを突き刺した。だめ押しとなった4点目はハイプレスを仕掛けるスペインのポラが粘り強くディフェンスをし、ボールを奪取。そのままシュートを叩き込んだ。
ロシアも決定機がなかったわけではないが、スペインのゴール前にはパコ・セラーノがいた。スコアボードが動くことを許さなかった。
セットプレーから2得点、ハイプレスのボール奪取から2得点、そしてゴレイロの好セーブ。残り5秒で失点し、きっちりと前半を締めれなかったことに、この大会に挑んだ経験のないチームの隙が見えたが、完璧と呼ぶにふさわしいパフォーマンスだった。
ベナンシオ監督はドリブル突破が得意なロシアのブラジル人アタッカー、ロビーニョに対してはスピードのあるポラ、もしくはミゲリンが必ず対応するようにという指示を出していた。この策が見事に的中し、ロビーニョが機能不全となったロシアはスペインのハイプレスに蹂躙された。
ベナンシオ監督らテクニカルスタッフの仕事の成果は、後半にも示された。ロシアはパワープレーを仕掛けてきた。ボールを回し、確実に決定機をつくってきたが、スペインが見事な対応で乗り切り、逆に得点を追加した。ロシアのパワープレーは見事だったが、スペインのディフェンスが上手だった。ゴレイロのパコ・セラーノを中心に守り切った。
大会前は負傷者が続出し、リーダーがいないチームとして、絶対的な優勝候補ではなかった。しかし、結束したチームは試合ごとにパフォーマンスを向上させ、7度目となる欧州制覇を達成した。
スコアシート
決勝
ロシア 3
スペイン 7
[得点経過]
- 0-1 アレックス(スペイン)8分8秒
- 0-2 ポラ(スペイン)15分12秒
- 0-3 リビィーリョ(スペイン)16分10秒
- 0-4 ポラ(スペイン)16分45秒
- 1-4 ロムロ(ロシア)19分55秒
- 1-5 ミゲリン(スペイン)30分50秒
- 2-5 ロビーニョ(ロシア)31分57秒
- 2-6 ミゲリン(スペイン)34分51秒
- 2-7 リビィーリョ(スペイン)35分37秒
- 3-7 ミロヴァノフ(ロシア)39分45秒