プロサッカー選手がフットサルへ、元クロアチア代表ヤルニが語る
2016/08/28
15日に行われるFリーグ第23節の"北海道対府中"の1戦が大きな注目を集めている。
理由は残念なことに優勝争いとか天王山とかではない。ご存知のとおり、日本で最も人気のあるサッカー選手、三浦知良が北海道の選手としてFリーグのピッチに立つからだ。
元日本代表であり、44歳になった今もプロフェッショナルとして活躍する日本サッカーのレジェンド、カズのFリーグ参戦。Fリーグ、そしてフットサルが知名度アップするためにはこれほどすばらしいことはない。
ただ、彼の加入は知名度アップにはなっても、北海道の戦力アップになるのか?
プロサッカー選手はフットサルで活躍できるのか?
一流のプロサッカー選手がフットサルのトップカテゴリーでプレーするとどうなるのか。
サッカーからフットサルへ転向した選手。欧州でも最も有名なのは元クロアチア代表として左サイドバック、サイドハーフで活躍したロベルト・ヤルニだ。
そのスピードとクロスで活躍し、1998年、クロアチア代表としてワールドカップ3位入賞。クラブレベルでもイタリアのユベントス、スペインのベティス、そしてレアル・マドリッドでプレー。レアル・マドリッドでは1998年のインターコンチネンタルカップを制し、イタリアでもユベントスでリーグ優勝を経験している。
ヤルニは2002年の日本と韓国で行われたワールドカップにクロアチア代表としてプレーをした後に34歳でサッカー選手としての現役を引退。
そして、その後は母国のハイデュク・スプリトで4シーズン、フットサル選手としてプレーをした。
1月31日にクロアチアで欧州選手権が開幕する。ヤルニは大会大使として母国での欧州選手権をアピールし、組み合わせドローにも参加している。
その彼が自身のフットサルの体験について、UEFAにある欧州選手権のページでインタビューに応じ、その中で彼はフットサルについてこのように語っている。
サッカー選手としてキャリアを終えた時に、スプリトに戻り、地元のMNKスプリトで4シーズン、プレーをしました。幸運なことにチームはとてもすばらしく、3つのリーグ、そしていくつかのカップを勝ち取りました。またUEFAフットサルカップ(サッカーで言う、UEFAチャンピオンズリーグ)でもプレーをできる機会がありました。だけど、その大会では運がなかったです。私たちは欧州で最もすばらしいチームのひとつ、スペインのインテルビュー(現インテル)に当たってしまったんです。
シンキングスピードが違う
ヤルニはフットサルのどんな部分が好きなのだろうか?
サッカーとフットサルにはいくつかの違いがあります。私がフットサルで最も魅了されたのはシンキングスピードが違うことでした。サッカーはスペースがあり、一息つく間があります。フットサルはフィールドプレーヤーが4対4であり、その中でボールをゆっくり動かしたり、ボールを持ち過ぎる選手はひとりもいません。なぜなら、そうしてしまえば大きな罰を受けることになります。
また、フットサルの戦術面については次のように触れている。
他の面で言えば、戦術面でもとても興味深いです。1996年の世界選手権決勝のブラジル対スペインと2000年の決勝の同カードを見比べてみてください。スペインがいつもどのように戦略と戦術を駆使し勝っているのか、わかると思います。
インタビューは『フットサルは、将来的にクロアチアの選手のプレーの質を高めるために理想的なスポーツですか?』と訊くと、ヤルニはこう答えた。
疑いの余地はないですね。フットサルはまだサッカーほど有名ではないですが、このスポーツをプレーしている選手はどんどん増えています。信じてください。フットサルをプレーすることは簡単ではないですし、フットサルの練習はサッカーよりずっとハードだと私は思います。ボールを持った時に考える時間はそんなにありません。ただ、フットサルのプレーは事実、楽しいものです。
34歳から38歳までフットサルのトップカテゴリーでプレーをしたヤルニ。この元クロアチア代表はフットサルとサッカーの違いで「シンキングスピード」を強調していた。
カズはフットサルをプレーして、どんな点に違いを感じ、面白味を感じるのだろうか?彼のピッチでのプレーよりも、試合後の彼のコメントが楽しみだ。