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僕の「2011年」フットサル5大ニュース

2016/08/28

独断と偏見で2011年のフットサル5大ニュースを選出。

  • その1: 日本代表の対チェコ、対名古屋の敗戦
  • その2: 名古屋オーシャンズがAFCフットサルクラブ選手権優勝、AFC年間最優秀フットサルチーム受賞
  • その3: FCバルセロナがついにタイトル獲得、国内3冠
  • その4: PUMA CUP 2011 東日本大震災復興支援チャリティーフットサルデー
  • その5: サントスのブラジルリーグ制覇と閉鎖

みなさんは昨年を振り返ってみて、どんなニュースが印象に残っています?

その1「日本代表の対チェコ、対名古屋の敗戦」

2011年の日本代表を振り返ってみて、やはり印象に残る出来事はFリーグの名古屋オーシャンズに大敗したことだった。

僕はこの結果を悲観的に捉えてはいない。

代表候補合宿におけるクラブチームとの"練習"試合だ。0-6での大敗をそんなに悲観的に受け取ってもしょうがない。

ましてや相手は世界でも有数のプロフェッショナルチーム、名古屋だ。

元ブラジル代表のマルキーニョ、元ポルトガル代表のペドロ コスタというクラブ、代表で輝かしい実績を持つ世界的名手やブルノらタレントのある選手たちが所属している。そして彼らは毎日、アジウというプロ監督のもとオーシャンアリーナという世界最高のフットサルコート、充実した環境で日々、練習しているのだ。

このチームの実力は現在のイタリア代表と比べても遜色はないと言っていいだろう。

日本はイタリア代表との親善試合の結果が0-7、そして1-3だった。名古屋との0-6という結果は妥当だろう。

問題は結果よりも内容だ。日本代表候補選手たちのプレーだ。

名古屋との練習試合を僕はインターネットの生中継で目にした。現場にいたわけではないので、ピッチの雰囲気を身体で感じることはできなかった。だから僕の実感は正しくないのかもしれない。

僕がPCの画面で見た日本代表候補チームはあまりにも覇気がなかった。

ただ、単にフットサルをプレーしているだけで、試合に参加していなかった。

その様は名古屋が格上ということもあるが、欧州遠征のセゴビア戦の前半よりも醜かった。セゴビア戦のハーフタイム、ミゲル ロドリゴ監督は『こんなパフォーマンスならば今すぐ日本に帰らなければいけない』と選手たちを怒鳴っている。

日本代表候補合宿中の練習試合。代表チームに召集されていない選手たち、もしくはあまり出場機会がない選手たちにとっては自分の特徴をアピールする大きなチャンスのはずだ。しかし、そんな気概を名古屋相手にプレーで示した選手はついぞ見られなかった。

日本代表はメンバーが定着し、グループが形成され、連携は確実に向上している。ディフェンス、そしてセットプレーと世界のどこの代表チームを相手にしても苦しめることができる集団となった。

アジアカップではスペイン人監督プルピスが率いるウズベキスタンと早々に当たるなどの悪い巡り合わせにならなければ、予定どおり出場権を手にするだろう。

ただ、今の日本代表では強豪国2か国が同居するワールドカップ本戦のグループリーグを見据えた場合、まだまだ底上げが足りない。

それは結果が実証している。

日本はホームでチェコに負けるのだ。チェコは決して負けてはいけない相手だった。

東欧の雄は2010年の欧州選手権3位に入賞したが、あの結果は準々決勝で対戦したイタリアが自滅したおかけだ。

彼らは実際はないにも関わらず、ベンチのテクニカルスタッフがルールを把握していない結果、延長戦があると思って、同点だった試合終盤にパワープレーも、積極的な攻撃も仕掛けなかった。

そして40分後、延長がなくそのままPK戦へとなだれ込んだ時、イタリアチームの全員が驚いていた。『延長はないのか?』。こんな信じられない失態の後に、チェコは驚きを隠せないイタリア相手にロシアンルーレットで勝利した。

試合は個人能力が上回るイタリアが圧倒していた。そんなイタリアが終盤、猛攻をかければチェコは崩れていただろう。

欧州3位という戦績はチェコの実力を過大評価させる。

彼らは欧州で3番目に強いチームでは決してない。勝ち上がった準決勝でスペイン相手に何もできず1-8と敗退した事実がそのことを裏付けていると僕は思う。

チェコは世界の強豪ではない。中堅だ。日本と同じカテゴリーだ。

ワールドカップで1次グループリーグを突破するのならば、たとえ親善試合1戦目に勝っていたとはいえ、同じくらいの実力の相手にホームで負けてはならない。

ミゲル ロドリゴの指導力に疑いの余地はない。ここ数年、毎夏、世界王者のインテルの監督候補に日本代表を率いるこのスペイン人監督の名が真っ先に挙がっている。

では日本代表がさら強くなるためにはどうすればいいのか?

僕は日本人選手の気概、Fリーガーの志に懸かっていると考える。

「何をそんな精神論を」と失笑する人がいるかもしれない。

「そんなの子供でもわかっているよ」という声もあるかもしれない。

だけど、今の若い日本代表は試合によって大きな波がある。それはチームの、選手のメンタリティに依るところが大きい。

逸見ラファエルのようなチームを底上げし、刺激する存在は2012年現れるのか?僕は現状のチームのままでは2012年のワールドカップはいいパフォーマンスをしても結果は2008年と同じとなってしまうだろうと思う。

代表は結果が最も大事。

それは世界1になった途端に世間の目、そして環境が激変した昨年のなでしこジャパンを見ればよくわかるはずだ。

その結果を残すためにも、チームの刺激となる選手の出現。もしくは選手の更なる覚醒が必要不可欠だ。

2011年 日本代表の戦績

欧州遠征
3月22日 ポルトガル 1-6 日本
3月23日 ポルトガル 2-3 日本
3月27日 ブレラ(スペイン2部) 2-5 日本
3月28日 ロベージェ(スペイン1部) 3-2 日本
3月29日 セゴビア(スペイン1部) 3-3 日本
3月30日 タラベラ(スペイン1部) 3-2 日本
4月1日 LNFSレジェンド 1-0 日本 ※25分ランニングのハーフマッチ
4月1日 サモラ(スペイン2部) 2-0 日本 ※25分ランニングのハーフマッチ
中国国際インドアフットサルトーナメント2011
6月1日 中国 0-3 日本
6月3日 日本 2-2 イラン
6月4日 日本 0-3 ブラジル
6月5日 日本 3-2 ルーマニア
国際親善試合
6月11日 日本 4-1 チェコ
6月14日 日本 1-2 チェコ
イタリア遠征
9月6日 イタリア 7-0 日本
9月7日 イタリア 3-1 日本
練習試合
10月12日 大阪 2-0 日本代表候補 ※前半25分、後半20分のプレイングタイム
11月16日 日本代表候補 0-6 名古屋
12月21日 大分 2-3 日本代表候補

その2「名古屋がAFCフットサルクラブ選手権優勝、AFC年間最優秀フットサルチーム受賞」

名古屋が悲願のアジアナンバー1の座を勝ち取った。

決勝の相手はイランのクラブチームだったが、明らかに彼らはイラン代表よりプレーの質が低かった。

苦しんだが、日本代表より強い名古屋にとっては勝たなければいけない相手だった。

とはいえ、名古屋の優勝は日本のフットサルのステータスをあげる価値があるものであり、歴史的な偉業だ。

今後はアジアの各国が名古屋を目標にAFCフットサルクラブ選手権に挑んで来るだろう。Fリーグ開幕前という日程が名古屋にとっては唯一、気がかりな点だが、クラブの規模を考えれば、名古屋がFリーグ同様、AFCフットサルクラブ選手権をずっと制覇し続ける可能性は高い。非常に高い。

名古屋には創成期にUEFAチャンピオンズリーグを5連覇したフットボールチームのレアル マドリッドのように、歴史に残る偉業を残し、アジアだけでなく、世界を代表するフットサルクラブになって欲しい。

いや、こんな風に祈らなくても、きっとそうなるだろう。

後世、2012年のAFCフットサルクラブ選手権優勝は名古屋だけでなく、日本フットサルにとって非常に大きな意味を持つ。

この優勝は2006年に日本代表のアジア選手権制覇と同じように日本フットサルを語る上で欠かすことができない出来事となった。

その3「FCバルセロナがついにタイトル獲得、国内3冠」

ここ毎夏、大物選手を獲得し、移籍市場を奮わせてきたが、シーズン終盤にはいつも手元にタイトルが残らなかったFC バルセロナ。

万年優勝候補だった彼らがついに2011年タイトルを獲得した。しかも国内の3つのタイトルを全て勝ち取るという偉業をなし遂げたのだ。

2月にスペインカップを制覇し、悲願のタイトルを獲得する。すると5月には決勝でインテルを破り、国王杯を制覇。そして6月にはプレーオフ決勝でセゴビアを破り、リーグ優勝を達成した。

国内3冠、今までタイトルを勝ち取れなかったのが嘘のように参加した全ての大会を優勝で締めくくっている。

ここ数年、「バルサには決勝の経験が必要」と誰もが指摘していた。曰く、彼らが勝てないのは経験がないからだ、と。

最初のタイトルを獲ることが1番難しいんだ

とバルサのキャプテンのハビ ロドリゲスも語っていたが、まさにその通りだった。

1度タイトルを獲得するとそれが自信となり、そして王者の風格へと昇華する。スペインカップを制覇したバルサは王者の風格を手にし、その後、あれよあれよという間に3冠を達成させた。スペインカップを制覇した後、バルサから脆さがまったく消えたのだ。

2011年はバルサの黄金時代を告げる重要な節目となった。

その4「PUMA CUP 2011 東日本大震災復興支援チャリティーフットサルデー」

5月3日に開催された東日本大震災復興支援イベント。

Fリーグ開幕以降、初めてとなるオールスターマッチが約1,800人という観衆を集めて、行われた。

僕は実際に会場に足を運んでいない。しかし、この試合を5大ニュースから外すわけにはいかない。

中止になった大会がこうやって全く違う形で行われる。これだけいろんな人の思いを包括した意義深いフットサルのイベントがかつてあっただろうか。

その5「サントスのブラジルリーグ制覇と閉鎖」

すっと現れては、こっちの口が動く前に暗闇に消えてしまう。まるで流れ星のようだった。

ブラジルリーグ2011を制覇したサントスだ。

2011年のストーブリーグでブラジル代表のファルカン、ネット、ヴァウジンを補強し、ベンチにはリーグ優勝請け負い人のフェレッチ監督を迎え入れたサントス。その豪華な陣容でフットサルのトップカテゴリーに初参戦ながら、優勝候補に挙げられていた。

大きな期待、そして注目を集めてスタートしたサントスは順調にリーグを勝ち進めると、最後はホームでPK戦の末、優勝を勝ち取ってしまった。リーグ参戦1年目で期待どおりの優勝。なかなかできることではない。

そして、このチームはそれだけでは終らなかった。

スポンサーの撤退などもあり、サントスのフットサル部門は1シーズンで閉鎖をしてしまったのだ。

こんなに大きな期待を集め、成功し、そしてあっとういう間にいなくなってしまうチームがかつてあっただろうか。

サントスはもはや2011年だけに存在した伝説のチームと化した。

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