座間健司ブログ

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欧州選手権

オフェンシブなディフェンスとアグレッシブなプレー

2016/08/28

決勝点をあげ喜ぶスペイン代表

スペインのアイカルド(右)がキックインから決めて、セルヒオ・ロサノとミゲリンがゴールを祝福する。この1点が決勝点となり、スペインは決勝進出を果たした。スペインは2003年イタリアで行われた欧州選手権以外の全ての大会で決勝進出を果たしている。

スペイン代表ミゲリンのドリブル

スペイン代表のアタッカー、ミゲリンがドリブル突破を試みる。スペインとイタリアは互いに退くことなく戦った。

得点を奪いにいく。その姿勢、志が両チームに40分間ずっとあった。だからスコアボードは1−0と生まれた得点こそ少なかったが、スペクタクルなゲームだった。

それは準々決勝のイタリア対ポルトガルの前半と比べれば明確だ。このカードはお互いに「失点しないこと」を考えて、ゲームを進めていた。先に点を奪うことよりも、失わないことを最優先にした。失点をする恐怖が両チームの足を鈍らせ、攻撃も相手のミスを待って、そこを突くようなものだった。

強豪国同士の対戦でも姿勢が違うとここまでゲームの表情が変わるものだろうか。

スペインとイタリアは前線から積極的なディフェンスを見せた。

特にスペインは後方にスペースが空くことを恐れることなく、ラファ・ウシン、ミゲリン、ロサノらがチェイシングをする。イタリアもそんなスペインを相手にパスをつなぎ、攻撃を仕掛けようとする。スペインがボールを持つと立場は逆になる。イタリアはディフェンスのスタートラインがスペインに比べると自陣寄りだったが、スペインのパス回しに対して、積極的に足を出す。「待つ」のではなく「奪う」、そして「すぐさま攻撃に移行する」。そんなディフェンスだった。

ベナンシオ監督は笑顔を見せながら試合後の会見でこう言っていた。

もちろん勝利したことが最も大きな喜びですが、今日は両チームが最初からゴールを狙うスペクタルクなゲームをすることができて、私は嬉しかったです

両チームはディフェンスでも攻撃の意志をピッチ上で表現できることを示していた。

スペインのセットプレー

試合はスペインがキックインからアイカルドが決めて先制する。左サイド、オルティスがキックイン。ボールはピッチ中央へ。それに合わせて左利きのミゲリンが走り、そして自分の股の間をとおす。そして後方にいったアイカルドが素早くニアサイドにシュート。その素早いリアクションにイタリアのゴレイロは遅れ、ボールはゴールの内側に転がった。

セットプレーはベナンシオ監督率いるスペイン代表の大きな武器だ。その精度は高く、バリエーションは多彩。さらにキッカーのキケ、オルティス、アレマオらの戦術眼も卓越しており、空いたところを逃さない。練習で何度もセットプレーの確認をしているが、そのハードワークがスコアボードにそのまま反映されている。

先行されたイタリアはバルセロナに所属するサージを中心に攻撃を組み立て、活路を見出そうとするが、スペインの規律あるディフェンスが許さない。また突破をされても、後方にはルイス・アマドがおり、彼のセービングがゴールに大きな鍵をかけていた。

イタリアはフォルティーノらピヴォを中心にガブリエル・リマらが飛び込んで攻撃を仕掛ける。スペインもボルハ、ラファ・ウシン、そしてセルヒオ・ロサノが前線に飛び出して、得点の機会を狙う。またアレマオがこの日は個人技で何度か局面を打開した。しかし、互いにアグレッシブなディフェンスもあり、ゴールは生まれず。

スペインが1点をリードして、前半を終える。

パワープレーのディフェンス

後半、スペインは決定機を3つ手にする。

ひとつはコーナーからゴール前に駆け込んだトーラスが合わせるが、シュートはバーに弾かれる。完全に崩してからのラファ・ウシンのシュートはポストに嫌われ、そして最後の決定機は相手ゴレイロが飛び出していた場面、あとは枠に押し込むだけでよかったアレマオのシュートは枠を外してしまう。

スペインは多くの決定機を手にしながら自分たちのミス、もしくは運がなく試合の勝敗を決する追加点を奪えない。

イタリアもシンプルなコンビネーションからゴールを狙う。シュートは枠を捉えていたが、そこにはいつもルイス・アマドがいた。

試合はスペインが1点リードのまま、残り3分半。イタリアはパワープレーを始める。しかし、イタリアが攻撃を仕掛けるがなかなかシュートまで持ち込めず。スペインのディフェンスがすばらしかった。

スペイン代表監督ベナンシオは試合後の会見で語っている。

ルイス・アマドもすばらしいプレーをしましたが、私はパワープレーの時の相手5人に対する4人のディフェンスがすばらしかったことを強調したいです。パワープレーは3分半ありましたけど、イタリアがシュートを打つことができませんでした。選手たちは昨日の練習したことをしっかりピッチでパフォーマンスに反映させていました

スペインがイタリアに1−0で勝利し、決勝進出を決めた。

決勝のロシア対スペインは11日21時に行われる。

スコアシート

UEFA欧州選手権クロアチア2012 準決勝第2試合(2012/2/9)

Spain 1-0 Italy

  1. 1-0アイカルド(スペイン)6分

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