進化したディフェンスからの攻撃と勝負所のゲーム読解力(トレーニングマッチ・対タラベラ戦)
2016/08/28
16日19時30分にスペイン1部リーグ所属タラベラと日本代表のトレーニングマッチが行われた。
日本は先手を奪いながらも、前半残り2秒で2-2の同点ゴールを許し、後半も終了間際残り8秒で5-5の同点ゴールを許してしまった。勝負所で守りきれなかったのは課題だが、アグレッシブなディフェンス、ボールを奪ってからの素早い攻撃など収穫が多い試合となった。
また逸見、仁部屋、そして小曽戸といった個人技で局面を打開できる選手たちが決定的な仕事をしていた。過去2年のスペイン遠征に比べて、スペインのクラブチーム相手に彼らが1対1で勝てる場面も増えていた。
スコアシート
- 試合日時: 2012年04月16日19時30分
- 会場: Primero de Mayo(タラベラ・スペイン)
タラベラ 5-5 フットサル日本代表
- 0-1木暮賢一郎(日本)3分
- 1-1チスパ(タラベラ)4分
- 1-2小宮山友祐(日本)12分
- 2-2ナンド(タラベラ)19分
- 2-3逸見勝利ラファエル(日本)21分
- 3-3チチョ(タラベラ)24分
- 4-3アレックス(タラベラ)35分
- 4-4小宮山友祐(日本)38分
- 4-5小曽戸允哉(日本)39分
- 5-5ケル(タラベラ)39分
日本の先制点を決めたのはキャプテンの木暮賢一郎。アシストをした北原亘にガッツポーズをしながら駆け寄る。北原が相手ディフェンスの裏をとり、そして木暮がしっかりゴール前に走り込んでいた見事な先制点だった。
北原はプロのクラブでやっているだけあり、プレーが安定していた。どんな相手と1対1をやっても慌てない。日常で外国人選手と多く対峙しているから彼にとっては何も違和感はないのだろう。
先発でピヴォとして出場した星翔太。攻撃では決定的な仕事を果たせず、ディフェンスでも後半早々にミス。終盤にフェイクからパスを受けて前を向き、村上哲哉にチャンスとなるパスを送ったが、この日は低調だった。彼に代わって入った原田浩平の積極性が相手チームにとってはきっと怖かった。
逸見勝利ラファエルはエントレリーニャでパスを受けて前を向き、数的優位な局面を創りだすなどすばらしいパフォーマンスを披露した。ディフェンスではミスもあったが、彼はまだ18歳。プレーに迫力があり、タラベラにとって最も恐い選手だった。
インターセプトから持ち込み、小宮山の得点をアシストした仁部屋和弘。そのドリブルは武器だがもっとシュートなどゴールへ行く姿勢を示して欲しい。自ら自分のプレーのスケールを小さくしている。この日もその高いスキルで相手ディフェンスを手玉にした場面があった。持っているポテンシャルは高い。大分で同僚の小曽戸のようなゴールへ向う迫力を体得して欲しい。
サイドでのチャンスメイクが期待される松宮充義。この日は無理な局面でサイドから仕掛けて、コーナーを奪った以外にそのドリブルやパスを活かした場面はなかった。
相手のパワープレーを返して、ゴールを奪った小曽戸允哉。後半にはドリブル突破から相手ディフェンスを抜き去り、シュートをポストに当てるなどその積極的なドリブルで多くの決定機をつくった。
前半残り2秒、木暮がゴール前でファウルし、そのチャンスをタラベラのキャプテン、ナンドが逃さなかった。大事な時間帯で失点をする。いいパフォーマンスをしていただけに悔やまれる失点、そして時間帯だった。
日本代表の3点目を決めたのは逸見。カウンターからゴレイロとの1対1を確実に決めた。18歳、当然ミスはある。だが攻撃で彼ほど相手にとって脅威となる選手はいない。
タラベラ戦に挑んだ日本代表は、グループ練習に参加していない上澤貴憲とゴレイロの藤原潤の2人以外は全員がピッチに立った。