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欧州選手権

観衆の力でも難しかったロシア撃破(セルビア対ロシア・欧州選手権2016マッチレポート)

2016/08/27

サポーターへアピールするフットサルロシア代表ロムロ

延長戦でゴールを決めたロシア代表ロムロが電光掲示板の上を大観衆を見つめながら歩く。ロシアにとってはうっぷんを晴らすようなゴールだった。

この日の主審はチェコ人と2012年ワールドカップ決勝の笛を吹いたイングランド人の2人だった。イングランド人の主審はワールドカップ決勝でブラジル代表ジェがスペイン代表セルヒオ・ロサノを思い切りスパイクした時にカードも何も提示しなかった審判だ。スペインでは「なぜレッドカードを出さなかったんだ?」と疑問の目が向けられた。イングランドとチェコ。彼らの日常であるそれぞれの国のリーグ戦では、タイトルが懸かった決勝戦にどれほどの観衆が集まるのだろうか。試合のリズムは欧州選手権準決勝のように速いのだろうか。この日ベオグラード・アリーナには約1万人が詰めかけた。彼らはロシアにブーイングを飛ばす。セルビアの圧倒的なホームだ。非日常空間にいる2人の審判は、完全にその雰囲気に飲み込まれていた。

2008年ワールドカップ、2010年欧州選手権、2012年ワールドカップとメジャー大会での審判の誤審はもはや風物詩だ。この試合もそう記録されるゲームとなるのか、と思っていたが、ロシアが地力の差を見せた。

ロシアはエデル・リマを2枚の警告によるレッドカードで失った。さらにゴレイロへのバックパスをファウルと判定され、2度の間接フリーキックをゴール前で与えた。そんな苦境を乗り越えて、ロシアは決勝進出の切符を手にした。延長戦でセットプレーから決勝点を奪い、きっちりゲームを締めた。

セルビアはペリッチ、コリッチなど個の力が優れた選手たちを大観衆が後押し、チームは躍進した。スタンドを埋め尽くしたセルビア人が創り出す会場の熱気は審判のジャッジを狂わせたが、ロシアを倒すことまではできなかった。

ロシアが2012、2014年に続き、3大会連続での決勝進出を決めた。これまで決勝で連敗しているが、ベオグラードでは3度目の正直となるだろうか。

スコアシート

準決勝
セルビア 2
ロシア 3

[得点経過]

  1. 1-0 エデル・リマ(ロシア)12分45秒
  2. 1-1 コリッチ(セルビア)25分50秒
  3. 2-1 アブラモフ(ロシア)32分27秒
  4. 2-2 シミッチ(セルビア)35分19秒
  5. 2-3 ロムロ(ロシア)43分32秒

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