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欧州選手権 マッチレポート

パワープレーでは埋められなかった実力差(ロシア対カザフスタン・欧州選手権2016マッチレポート)

2016/08/27

ゴール後に歓喜の雄叫びを上げるフットサルロシア代表ロムロ

2ゴールを決めたロシア代表ロムロ。豪快なミドルシュートを叩き込んでいる。

相手陣内に攻め上がるフットサルカザフスタン代表のGKイギータ

カザフスタン代表のゴールキーパー、イギータ。試合中にゴールマウスから離れ、パスとシュートで決定機を演出した。

優勝候補筆頭のロシアは、開幕戦で難敵カザフスタンを打ち破った。

ロシア国籍を取得したブラジル人ロムロが、前半に立て続けにミドルシュートを叩き込んだ。1点目はピヴォ当てから、フェイクを入れて、フリーとなり、リターンパスをミドルシュート。2点目は空いたスペースを見逃さず、ランニングで味方のロングパスを引き出し、ニアサイドに叩き込んだ。エデル・リマ、ロビーニョ、そしてゴレイロのグスタボといったロシア国籍を持つブラジル人はワールドカップと欧州選手権をロシア代表として経験している。一方、ロムロは今大会が初めての国際大会だ。しかし、ロシアのディナモ・モスクワにすでに5年在籍しているので、そのスタイルに完全に適応している。

ロシアはクオリティの高いフットサルを展開していた。各選手の個々の能力は高い。カウンターだけではなく、ロビーニョ、エデル・リマを中心にバランスを崩さず、ボールを保持しながら、決定機の糸口も探せる。攻撃のバリエーションが多く、チームの完成度は頭ひとつ抜けていた。

カザフスタンはパワープレーで実力差を埋めようした。ブラジル代表チアゴと並び、世界で最も足元が巧みなゴレイロ、イギータを前線に上げて、ロシアの攻略を試みていた。実際にイギータのシュートをきっかけにカザフスタンは1点を返した。

しかし、彼らはそれ以上スコアボードを動かせなかった。

カザフスタンを率いるカカウ監督は代表とクラブを兼任する。彼はカイラト・アルマトイを率い、欧州ナンバー1クラブを決めるUEFAフットサルカップを2度勝ち取っている。イギータを中心にしたパワープレーでディナモ・モスクワ、バルセロナといった強豪を倒してきた。代表で、その再現を狙い、パワープレーでロシアに挑んだが、成功しなかった。

理由はシンプルだ。カザフスタン代表にはクラブチームに所属するクオリティの高いブラジル人選手がいないからだ。イギータはいる。だけど、その脇を固める役者のクオリティは、クラブと比べると歴然とした差があった。

パワープレーで実力差を埋めようしたが、結局問われるのは、各選手が持つ個々のスキル、テクニックだった。

スコアシート

グループC
ロシア 2
カザフスタン 1

[得点経過]

  1. 1-0 ロムロ(ロシア)11分01秒
  2. 2-0 ロムロ(ロシア)11分28秒
  3. 2-1 サハマンクロフ(カザフスタン)12分15秒

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