逸見勝利ラファエルが欧州の頂点を狙う(UEFAフットサルカップ2016決勝ラウンドプレビュー)
2016/08/27
4月22日から欧州王者を決めるUEFAフットサルカップの決勝ラウンドが始まる。決勝ラウンドは準決勝から決勝まで1つの開催都市で3日間集中して行われる。
今シーズンの決勝ラウンドはスペインリーグ王者インテルが本拠地とするマドリードのお隣グアダラハラで開催される。その地では今年3月にスペインカップが行われた。インテルはスペインカップを掲げた場所で、今度は欧州タイトル獲得を狙う。
サッカーの欧州チャンピオンズリーグの"フットサル版"と呼ばれるUEFAフットサルカップで準決勝に進出した4チームは、インテル、昨シーズンのロシア王者のウグラ、イタリア王者ペスカーラ、そしてポルトガル王者のベンフィカだ。
優勝候補筆頭はインテルだ。ポルトガル代表リカルジーニョを中心にスペインにおいて驚異的な強さで、一時代を築いているスター軍団だ。勝利がクラブの伝統である名門は、2009年以来となる4度目の欧州制覇を狙う。
インテルの最大のライバルと目されているのが、ロシアのウグラだ。フットサルプラネットが主催する2015年クラブチーム最優秀監督にノミネートされた名将カカが率いるロシア王者では同国代表のロビーニョや2012年ワールドカップ得点王のエデル・リマがプレーしている。
イタリア、ポルトガルよりも日常のリーグ戦が激しい欧州の2大国のリーグ戦王者が決勝進出の本命と予想されている。しかし、皆が口を揃えて言うのが「準決勝は準決勝、決勝は決勝だ。1試合だけだから何が起きても不思議ではない」という意見だ。勝負は始まるまでわからない。
今シーズンの逸見
日本代表として今年2月のアジア選手権を戦った逸見勝利ラファエルは、ベンフィカに所属している。昨シーズンのポルトガル王者は、準決勝でウグラと対戦する。ベンフィカの指揮官は「我々は優勝候補ではない」と公言しているように、準決勝は苦しい試合が予想される。
とはいえ、ベンフィカも欧州屈指のチームだ。ワンプレーで戦況を変えるタレントがいる。ベテランの元ポルトガル代表ゴンサロ、ゲームメーカーのブラジル人アラのチャギーニャ、イタリア代表ピヴォのパティアス、そして多くの現ポルトガル代表が脇を固める。ベンフィカにとって難しい準決勝になるのは間違いないが、ウグラにとっても簡単な試合ではない。
逸見はベンフィカで3シーズン目を戦っている。今シーズンは今日までに公式戦39試合で32試合に出場し、10ゴールを記録。UEFAフットサルカップではエリートラウンドなど全6試合にスタメンで出場し、2ゴールを決めている。リーグ戦では21試合に出場し、13得点。今シーズンも攻撃の軸として自分の役割を果たしている。
今シーズン、ベンフィカは最大のライバルであるスポルティング・リスボンの後を追っている。リーグ戦では現在UEFAフットサルカップのため1試合消化試合が多いにもかかわらず、勝ち点差2で首位の座を明け渡している。20節のアウェーでの直接対決では1-2で負けており、昨シーズンほど力の差をライバルに示していない。
ベンフィカは準決勝を勝ち抜き、決勝に進出できるのか。そして逸見は欧州最高峰の舞台で、名古屋オーシャンズで同僚だったリカルジーニョと再会できるのか。