座間健司ブログ

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育成・トレーニング

リーグ戦の重要性

2016/08/28

トレーニングに励むCDFSセゴルベのジュニアフットサルの選手たち

知っている選手と知らない選手。というよりも慣れている選手と慣れていない選手と言うべきだろうか。

日本で4月に学年が上って、サッカーチームのメンバーに若干の入れ替わりがあるように、スペインでも9月中旬に新シーズンが始まるとメンバーの顔ぶれが変わる。

スペインでは下部組織のひとつのカテゴリーに、日本で言う2つの学年が一緒にカテゴライズされている。

ゆえにシーズン毎にメンバーの入れ替わりも激しく、メンバーの半分が進級と共に上のカテゴリーでプレーし、昨シーズンのメンバーは半分残ることになる。毎夏の風物詩といっていい。

シーズン序盤に指導者が頭を悩ませるのが、今まで一緒にやってきた半分のメンバーと自分と一緒にトレーニングしてきていないメンバーとの組み合わせだ。

たとえばクラブ内にいた選手が昇格し、一緒に新チームを作っていくには問題は少ない。

CDFSセゴルベのようにスペインのクラブはスポーツコーディネーターを置いており、各カテゴリーの試合を隈なくチェックし、クラブとして土台となる戦い方、戦略、戦術が統一されているからだ。

またスポーツコーディネーターが、各選手の特徴も把握している。

各カテゴリーの指導者同士のアイデアも会議により共有されている。

チーム編成で苦労するのは、クラブの外から新たな選手が加入した時だ。

たとえば、サッカークラブでプレーしていた選手が新シーズンからチームに加わる。

その選手はボールを持たせたら、チーム内では誰よりもうまい。ドリブルが優れている。

しかし「パラレラ」「壁パス」「フェイク」「2対1」などボールがないところでの"プレー"ができず、今までフットサルをやってきた選手たちと息が合わない。

指導者は我慢して、最初から丁寧にコンセプトを教える。

週の2、3回のトレーニングで指導し、そして週に1度のリーグ戦でその都度修正していく。

トレーニング、トレーニング、トレーニング、試合。
 トレーニング、トレーニング、試合。
 トレーニング、トレーニング、トレーニング、試合。

決まったリズムの中で、毎日植物に水をやるように丁寧に熱を込めて、選手の成長を促していく。

すると年が変わる頃には新加入の選手もコンセプト、アイデアを共有できるようになる。

ただこれがもし毎週末に必ず試合があるリーグ戦ではない環境で、勝ち残ったチームだけが進んでいくカップ戦だけだったら選手も、チームも、進化や成長は難しいだろう。

試合に勝つために、トレーニングする。
 試合があるから、ミスがわかる。欠点がわかる。
 トレーニングがあるから、修正できる。

試合のクオリティ、会場の規模、環境を除けば、トップも下部組織の年代もやっていることは同じだ。

全国各地で育成年代から必ずリーグ戦が行われているということも、スペインが強豪国たる所以のひとつだ。

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