町クラブのトレーニングと重なるスペイン代表のトレーニング
2016/08/28
丁寧に指導者が例を示す。
CDFSセゴルベの下部組織のトレーニング。
2人のアタッカーが1人のディフェンスと対峙した時に、いかにしてディフェンスの背後を奪うか。
指導者は決してひとつだけの正解を教えるわけではない。
正解ではなく、例を提示する。
ディフェンスの喰いつき方によっては「壁パス」がいいかもしれない。「パラレラ」がいいかもしれない。「ループパス」で頭上を抜くのもいいかもしれない。もしくは2対1だけど、1人でドリブルでディフェンスを抜き去って、局面を打開することも可能だ。
ディフェンスの背後の奪い方はひとつではない。
選手のプレークオリティ、対峙するディフェンスのキャラクターによっても変わる。
正解は無数にある。
ただ指導者はチームをまとめるために「この場面では壁パス」「この状況ではパラレラがいい」と自分の意見を言う。
正解はひとつではないが、指導者は必ずその場面や局面で考える最もベターな決断を選手に提示する。
スペインには指導者ライセンス制度がある。ゆえに選手に提示する指導者の意見は、土台となる部分では統一されている。
CDFSセゴルベのトレーニングを見ていて「ああ、これはスペイン代表監督ベナンシオがスペイン代表のトレーニングで言っていたことだ」と思うこともあった。
国内のエリートが集まった最高峰のチームから町クラブで行われるトレーニングまでの間には無数の共通項がある。それは指導者が持つ「スペインのフットサル」の土台となる部分が統一されているからだ。
正解はひとつではない。
ただ参考例を提示する指導者が考えるフットサル観の土台は一貫している。
スペインフットサルのアイデンティティは町クラブのトレーニングからも見て取ることができる。