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ワールドカップ

強豪国の現状、ブラジル代表が欧州組をワールドカップ予選に招集(フットサルワールドカップ・コロンビア2016)

2016/08/28

フリーキックのための助走を取るFCバルセロナ・ラッサのバテリア

ワールドカップ予選に挑むブラジル代表に招集されたバルセロナのバテリア。

ブラジル

ブラジル代表監督セルジーニョが12月5日に2016年2月に行われるワールドカップ南米予選の招集メンバー15名を発表した。

セルジーニョが代表監督になってから国外クラブの選手を招集するのは初めてだ。スペインのインテルからラファエルとダニエル、バルセロナからバテリア、ロシアのディナモ・モスクワからフェルナンジーニョとアリ、ガスプロのマルセニオ、そしてカザフスタンのカイラト・アルマトイのジェの7名を招集した。15名の招集メンバーのうち、約半分の7人を海外組が占める。

国内ではリーグ制覇をしたカルロス・バルボーザからピト、ギアンの2人、ファイナリストのソロカーバからロドリゴら3名が招集された。

15名のメンバーのうち、2012年ワールドカップ優勝メンバーは4人。ファルカン、シミ、ネットら国内組のベテランはリストに名がなかった。特にファルカンがメンバーから漏れたことをブラジルメディアはサプライズと伝えている。

とはいえ、ファルカンは現在38歳で負傷も多い。本大会を迎える頃には39歳だ。セルジーニョ代表監督は本大会までに一気にチームの世代交代を進めようとしているのかもしれない。もしくは2月はまだ国内リーグが開幕しておらず、コンディションが整っていないので、予選に関しては若いが経験のない選手とシーズン中でコンディションが完璧な海外組を中心に選考したのかもしれない。

ブラジル代表は昨年末から今年の秋ごろまで連盟内での紛争、選手の代表ボイコットなどがあり、時間を無駄にした。失われた時間がどれほどの損失だったか。もしくは損失ではなかったのか。2016年の本大会で分かるはずだ。

スペイン

ドリブルでボールを前に進めるエルポソ・ムルシアのアレックス

エルポソのアレックスら新たな選手の台頭がスペイン代表には待たれる。

1996年から5大会連続でファイナリストとなったスペイン。スペインは前大会、チームをけん引したキケ、トーラスらベテランはもういない。今の代表メンバーで2000年グアテマラ、2004年台湾で世界王者となった経験を持つ選手はバルセロナのゴレイロ、パコ・セラーノ、1人しかいない。

次のワールドカップでチームのけん引を期待されるのが、前大会を経験しているオルティス、セルヒオ・ロサノ、リン、ミゲリン、アイカルドら2012年欧州選手権を制覇したメンバーだ。セルヒオ・ロサノは負傷のため、2月開幕の欧州選手権に間に合うかどうかは微妙だが、ワールドカップ本大会には間違いなく間に合うだろう。

スペインに必要なのは新たな才能の台頭、つまり戦力の底上げだ。エルポソのアレックス、ベベ、サンタ・コロマのアドルフォらがリーグ戦で示しているパフォーマンスを代表チームで発揮し、チームを刺激できるか。12月に行われるワールドカップ予選メインラウンド、2月に開幕する欧州選手権は絶好の舞台だ。チームが以前ほどのペースで進化しているとは言い難いスペインにとって、彼らの活躍は2016年の鍵となるだろう。

その他

敵陣内へドリブルを仕掛けるモビスター・インテルFSのリカルジーニョ

スペインでスペクタクルなプレーを披露するポルトガル代表リカルジーニョ。

ワールドカップを制覇したのはブラジルとスペインの2か国だけ(ただし、1989年にFIFAが主催してからで、それ以前のFIFUSA主催の大会ではパラグアイも世界王者となっている)。さらに決勝は7大会のうち、4回がブラジル対スペインだ。決勝で対戦しなくても1996年、2004年大会では両者が準決勝で名勝負を演じ、"事実上の決勝"と呼ばれた。

2016年ワールドカップでは、その決勝定番カードに終止符が打たれるのか。ブラジルはお家騒動があり、スペインは2012年ワールドカップから順調に進化しているとは言い難い。

ブラジル、スペインを本大会で倒す可能性があるチームはかつてないほど多い。イタリア、ロシア、アルゼンチン、ポルトガル、イランと次回のワールドカップ本大会はこれまでで最も各国の力が拮抗した戦いになるだろう。ブラジル、スペインは現時点では過去の大会ほど図抜けた存在ではない。

南米ではアルゼンチンが注目に値する。今年の南米選手権準決勝でPK戦の末、ブラジルを破った。日本、ブラジルも参加した昨年のクウェートでの国際大会も制覇した。現役時代に代表キャプテンで、イタリア、スペインでプレーした経験を持つディエゴが指揮するチームは戦略、戦術、そして勝負強さを手にして、対戦相手にとってさらにやりにくいチームとなった。

欧州では2014年欧州選手権を制覇したイタリア、同大会準決勝でスペインに勝利したロシア、そしてリカルジーニョがけん引するポルトガル代表に注目が集まる。リカルジーニョはスペインのインテルで特筆すべきパフォーマンスを示しており、2シーズン連続でリーグMVPを受賞。ポルトガル代表もリカルジーニョのパフォーマンス次第で世界王者になれるだろうという見方がスペインでさえ、広まっている。今のリカルジーニョはそれほど決定的なプレーヤーだ。

2016年ワールドカップでブラジル、スペイン以外の新王者は誕生するか。

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