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求められるシュートの精度、クオリティ(吉川智貴15-16・17節サンティアゴ戦)

2016/08/28

インサイドキックでパスをする吉川智貴

2016年最初のゲームでサンティアゴ戦に出場した吉川智貴。

「やっぱりそこか!」
 と思わず声を上げてしまったのが、前半13分のシーンだった。

自陣でサンティアゴからボールを奪い、マグナ・グルペアが素早くカウンターを仕掛けた。カルリートスがボールを持ち、ドリブルを前に進める。対峙するディフェンスは1人。そしてカルリートスの後方から左斜め前へ、吉川智貴がフォローに走った。2対1という数的優位な状況で、カルリートスはディフェンスをひきつけてから吉川にパスを出す。そのパスをダイレクトで左足シュート。対角線に放たれたシュートは飛び出してきたゴレイロに当たらなかったが、わずかに枠をそれた。

今シーズン後半戦の吉川の課題ははっきりしている。得点を決めることだ。このゲームでマグナ・グルペアの3点目を決めたのは、ハビ・エチベリだが、このゴールの半分はキャプテンがゴール後にずっと指差して称えていたように吉川のものだ。吉川が積極的なプレスにより最前線でボールを奪い、そのルーズボールをハビ・エチベリが押し込んだ。攻守に惜しみなく動き回る吉川の能力はもう誰もが知るところだ。発熱により、トレーニングを1日休むなど、決して万全の体調ではなかったが、この日も特に彼の執拗なディフェンスは効果的だった。スペイン1部でも屈指のファーストディフェンダーだ。

とはいえ、吉川をバルセロナの元ブラジル代表ガブリエル、もしくはインテルのスペイン代表ポラと同列に語れない。吉川は彼らに比べてあまりにも得点が少ない。攻守においてバランスを司るのが、彼らのメイン業務であることは間違いない。それに加えて世界のトッププレーヤーは数少ない決定機でスコアボードを動かしている。ガブリエルにしても、ポラにしても、機を見て、前線に上がり、得点を決めている。吉川が世界トッププレーヤーの仲間入りを果たすには、まずシュートの精度を向上させなければいけない。マグナ・グルペアは速攻から攻撃を仕掛ける場面が多い。吉川がサンティアゴ戦で手にした決定機も速攻からだった。速攻はダイレクトでラストパスを押し込まなければいけない場面が多くなる。ワンタッチでいかに精度の高いシュートを打てるか。ダイレクトシュートの精度の高さが、吉川には求められる。

「やっぱりそこか!」
 と思わず声を上げてしまったのは、そんな理由だ。

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