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適応する吉川智貴で実感する日本フットサルの進化(吉川智貴15-16・3節)

2016/08/28

シュート体勢に入る吉川智貴

吉川がシュートを打つ。3節では先発出場し、アシストを記録した。

ホームで行われた3節ブレラ戦でマグナ・グルペアの吉川智貴は、先発で出場した。スタメンでの出場は初めてだった。試合直前に先発を言い渡された。吉川はイマノル監督の期待に応える。積極的な前線からのディフェンスで相手の攻撃を分断すれば、攻撃でも味方と味方とをつなぐ円滑油として的確なサポートに入っていた。本人が「コンディションが上がってきた」と言うように、攻守において運動力が多く、プレーの強度は高く、出足が速かった。

この日は、スペイン代表監督ホセ・ベナンシオが視察に訪れていた。試合はインターネットで生中継されており、実況者と解説者は「ベナンシオ監督はもしかしたら吉川を招集するかもしれない」と話していた。もちろん冗談だが、吉川は現地放送席が話題にするように誰が見ても分かるほど際立っていた。前半、吉川は先制点をアシストする。4分、コーナーキックからハビ・エチベリがダイレクトボレーを叩きこんだが、ファーサイドに走ったキャプテンに正確なループパスを送った。

吉川は後半も、パワープレーも含めて多くの時間をコートで過ごした。スペインで初めて長く起用された。そのため疲労による決断ミスや決定機でのトラップミスもあったが、この夜の彼はマグナ・グルペアの攻守に欠かせない選手だった。チームは終盤にブザービーターとなる決勝点をハビ・エチベリが決めて勝利。ゴールが決まった瞬間、ベンチに向かって走るキャプテンを追いかける中に喜びを爆発させる吉川がいた。

3節にして、吉川は早くもチームに順応した。プレシーズンの途中にチームに合流した日本人選手がこれほど早く順応したことには驚いた。もう少し時間がかかると思ったが、戦術、戦略的にも彼が今までいた環境とは大きな違いはない。だからこそ1ヶ月でアジャストできたのだろう。名古屋オーシャンズではビクトル・アコスタの指揮するチームで毎日トレーニングする日常があり、さらに日本代表ではミゲル・ロドリゴと共に仕事をした。吉川がスペインに来て、初めて目にする戦術、戦略的なコンセプトはなく、イマノル監督によるマグナ・グルペアのフットサルに細かい部分を合わせればいいだけだった。

吉川は早くも順応した。そのことに毎週試合が行われるFリーグと名古屋オーシャンズのプロの環境の恩恵を、日本フットサルの着実な進化を実感した。

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